Monthly Archives: 3月 2016

  • -

BB不良の宿題 PF30

FOCUSというフレームが持ち込まれたのは 2015年12月の事でした。

このフレームは、プレスフィットと呼ぶ圧入式のBBタイプです。

電話の主は東京都内からでしたが、良く知るお客さんからでした。 なんとかしたい。

「BBを外したのだけど、どうやら圧入部分に大きなマイナス公差がある。ちょっと見て欲しい」との内容でした。

focus

KRG : なるほど・・・厄介な不良品だな。 ひどいなぁ・・これで完成車だったのですか?

BBは圧入されてたんですよね? これで? こりゃひどい。 根性で入れたな。

focus-bb-up

そもそも、側面塗装の円形のクラックはなんだ? カーボンフレームですがBB内部はアルミワンですでにガリガリ状態でした。

計測してみました。巖合部にはお互い許される公差というのがありますが悪く出ると使えない。

例えば46.0㍉の穴精度が 46.1㍉、圧入部品が45.9㍉だと、直径で0.2㍉の誤差がでてしまう。お互いの公差が悪く出ると ゆるゆる になっちゃう。

この フレームのBBは逆で、内径にマイナス公差が大きく出て入らない!

しかも楕円です。 さらには 左右でずれています。 終わったな、このフレーム。

focus-bb-size

最大 左ワンの左45度 45.5㍉  お~~すげぇ 絶対無理でしょこれ!

この場合アルミワンにアルミ製BBの圧入は選択肢にないので、樹脂ワンにしたい。

というわけで 保留。 TOKENの樹脂ワンがいいと思ったのですが欠品中。

BB30 って面倒なんですよね、シマノクランクにしたいって時にBBアダプターとかいるし。

focus-bb-crack

その前に何故こんなことになっているのか? 触診するとBBの外側より中心部の系が大きいようだ。 これ 3ピースか!  なるほど ん~

とりあえず 樹脂のBBを削って合わせるかなぁ・・ ヘタにフレームやっちゃって弁償なんて嫌だし。 それにしても使えないフレームだな。

こう見ると 向こう側の影になっている段がマイナス公差と楕円になった原因。

focus-bb-three

これは おそらくアルミワンを入れた時にゆるゆるになった経験があって、その対策として外側を大きく削ってその内側にアルミのカラーを圧入し内径を小さくしたのだと思う。雑としか言いようがない。

TOKENのBB30→シマノ24用BBを待っていたら年を越してお正月がやってきた。

それどころか2月を過ぎてしまった・・・ 結局 全く手を付けられずに数カ月。

focus-bb-OK

仕方ないので あらゆるクランクに対応するという樹脂ボディのBBを在庫から選択し試作加工用も含めて2セット入荷。 さて と思ったのですがどうにも重い腰が上がらず。

この間にTVの取材などもあり、取材の中で普段の作業風景としてこのフレームの説明をしましたが、説明をしているうちに やっぱり フレームを修正したくなった。

フレームの変形に合わせて樹脂を削ろうと思ったのですが、実際BBを手にとってみて削るだけでなく圧入方向(位置)とか色々作業をする上で面倒だと感じた。

それにお客さんが次回BBを交換する時にまた同じ作業を必要とする。

フレームを修正しよう!

focus-bb-upre

何といっても左右で異なるので気を使います。

少しずつ削って楕円の誤差を調整していきます。とは言えKRGは精密加工屋さんではないので全てを勘で作業させて頂いてます。 これ 失敗したら アウトだよな。

それにしても このメーカー全部これじゃないだろうな。 買う時わからないもんなぁ・・・

作業開始から数時間でめどがついた。

focus-bb-uprep

これで イケるはず。 BBを圧入します。完成! 

KRGの作業はここまで。

3カ月近く預り、部品の入荷が無かった事も功を奏しフレームを眺めては考える日々。

実際の作業は 僅か1日で完了! 上手くいって欲しいです。

 

あとはお客さんが自分で使用するシマノ製のクランクを付けてくれたらOKです。

focus-bb-token

都内へ持ち帰ったお客さんから、回転も良くバッチリ生まれ変わったと吉報!

去年からの宿題をどうにか果たすことが出来ました、それと また一つ経験を積む事が出来た。

感謝!  by KRG